ギリシャへ 2001

  2001年夏、大学生だった僕はバックパックを担いで、ギリシアを旅していた。

首都アテネで、古代文明を存分に堪能した後、テント生活でこの国の自然を満喫するべく、東へ進み始めた。Voulaという街で存分に海水浴を楽しみ、日が沈んだころを見計らって、ビーチのはずれにテントを張った。この国でのテント泊初日なので、極度の緊張であった。

火を熾し、食事をしてくつろいでいた。右手には街の明かり、正面は海、左手にも暗闇に音をたてる海。

突然、一人の男が現れて火に近づいてきた。男は小汚かった。近所に住む若者かと思ったけど、昼間にジプシーを見ていたので、それではないかと思った。男は何やら話しかけてくるのだが、言葉がまったくわからない。おそらく火はダメだ、というようなことを言って、その場から立ち去った。仲間を呼びに行って、集団で襲われたらやっかいだなと思い、テントを別の場所に移そうかと考えた。まあ、その時は戦うしかないな、と腹をくくって、でも一応テントのまわりに枯れ木などを敷き詰める(忍者かよ!)。ナイフもすぐ取り出せる場所にセット。しばらくテントを遠巻きに見張ってみたいしてみた。しばらく敵の来襲に備えてみたが、何も起りそうにはない・・・。

もう寝るか、と思ってテントに入り、シュラフに潜りこみ、横になった時、再び人の気配が。テントの入口を開けてみると、再びさっきの男が立っていた。

別に悪い奴じゃないのか。「もう眠るのか?」みたいなジェスチャー。うなずいて、今度はこちらから日本語とジェスチャーで質問。「あんたの家はどこ?近所?」

すると男。「外で眠る」みたいなジェスチャー。

そしておれのテントに入り、自分の股間を触り始めた。しかもなんか言ってる。おれに向かってマスターベーションの真似をしてみせる。

あぁ、そういうことね。と、焦り半分、怒り半分みたいな感情になってきて、男の胸ぐらを掴んでテントの外に引きずり出した。何を言ったか覚えてないけど、怒鳴り散らしたら、男は去るような素振りをして、テントから少し離れた。草の茂みにむかって声を出しながらマスターベーションをした。

そのまま走り去って行った。なんて奴だ。くそっ。おれは最悪の気分。でも妙に落ち着いていた。

とにかくここは離れよう。急いでバックパックに荷物を詰め込み、近くの公園に移動。公園内にあるベンチに、シュラフを広げて眠った。いろんなことが頭を巡りながらも、いつの間にか眠りに落ちていた。

空が明るみ始めた早朝、起きだして荷物を整理しながら気持ちを整えた。空は雲ひとつない晴天、また新しい一日がやってきた。

いったん落ち着こうと思って、アテネに戻った。

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