都賀川

 兵庫県六甲の都賀川へ行ってきた。
 都賀川は六甲山から流れる、県管理の川である。
 
 2008年夏、この川の水かさが鉄砲水によって急激に増して10人以上が飲み込まれ、川遊びをしていた子どもが亡くなった。
 
 都賀川は支流を入れても全長3キロ足らず、傾斜が急で降った雨が短時間で海まで流れ出す。この夏の惨事は、急傾斜の川と局地的な雨という条件が重なったことによっておこったと言われている。
 最上流部はどうなっているのかわからないが、川の大部分がこのように三面コンクリート張りで直線化している。これでは降った雨が、遊ぶ余裕もなく、短時間で川を流れることは自明の理である。また雨水だけでなく、家庭からの排水も川に流れ込んでいる。人口の密集している地域なので、排水の量もばかにはならないはずである。
 
 ぼくのこの川の第一印象は、「排水路」である。降った雨をできるだけ速く海に流してしまおう、という近代治水の象徴である。日本の都市河川はほとんどが、この姿に変容している。
 問題は、これを「川」だと認識して育っていくこれからの、いや現在の人間である。
 
 これを「美しい」川だと、「川」とはこういうものだと認識して育っていくだろう。これを「川」だと思ってしまうだろう。
それでも人は、癒しや何かを求めて水辺空間にやってくる。
 
 そこで考えなおさなければならないのは、「親水」の意味である。
 歩道があるから、河道が蛇行しているから、ビオトープがあるから、「親水」なのではない、「多自然」なのではない。そんな見てくれや表面的なことで、川と人が共生できないことはこれまでに十分学んだはずである。
 この川に稚アユを放流したからと言って、魚が住める環境であるはずがない。
 
 もともと都賀川がどんな姿であったかを問い直し、住民と話し合い、水のエネルギーを分散させる方法を探る必要がある。
 
 「本来どんな姿であったか?」を問い直すところに、すでに半分以上の答えが含まれていると思うこのごろである。
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