1955

 早春の剣山へトレッキング。
 山頂ヒュッテを営む、新居智次さんにガイドをお願いした。
 
 今回は、東祖谷山村の見ノ越から山頂までのルートを上がる。3月末、三寒四温で日々暖かくなってはきているが、標高1700を越えるとまだまだ尾根筋も南斜面も残雪が多い。北斜面は膝まですっぽりと埋まってしまう。ただ気温はかなり上がっているので、雪はガリガリ、急斜面で足を滑らすと、かなり下まで滑り落ちてしまいそうだ。
 見ノ越から山頂付近の森林限界までは、原生の森が神々しく続いている。ブナの大木、ダケカンバ・ヒコサンヒメシャラ林、ミズナラ、ツガも標高をあげるとコメツガに変わる。原生のヒノキも胴回りかなりの太さだ。
 日々の生活の中で、本来の生態系の姿を見られる空間はすでに限られている。原生林や大海原を往くときに、inspireする体内の感情が好きだ。尾根沿いを山頂に向かい、右手には雪を頂いた三嶺山のシルエットが美しい。遠くは霧がかり、東西南北どちらも山深い四国が見渡せる。
 
 遥か上空、雲はかなりのスピードで流れていき、小さな粒の雪も降ってきたりする。時折見せる日差しが、汗ばんだ体に心地いい。
 ダケカンバ林の中で、ヒガラが春の到来を喜び、さえずりを止めない。小さな体躯と鳴き声が、疲れを忘れさせてくれる。
 
 剣山山頂は1955m、ここのヒュッテがオープンしたのが1955年。不思議な因果と思いつつ、山頂を後にする。
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