sacred place

 春先、雪解けの吉野川源流へ。
 源流・白猪谷(しらいだに)へ車を走らせる途上、大橋貯水池や長沢貯水池の水量も豊かである。車道の脇の岩盤からは、水が滴り落ち、この一粒一粒があの大河の一滴となる。道沿いに延々とフキノトウが芽を出している。
 白猪谷がある本川村(現在は統合されていの町)に入ってからずっと続く雨。昼過ぎにテント設営地を決めてから、白猪谷にて竿を出す。狙いはアメゴ。谷の水量は夏に訪れたときの倍はあろうか。ごうごうと音をたてた水流が、地盤の青石と重なって見事なブルーを演出している。
 イクラを餌に夕方まで粘るが、この日は一匹も釣れず・・・。
 
 キャンプは白猪谷と名野川の合流点にて。昼間よりもいっそう強くなった雨が、川の水音をいっそう大きくする。ここ合流点は、白猪谷と名野川の双方の音を響かせる。夕方6時、濡れそぼった体を温めようと、周辺の森から濡れきった薪を集めてくる。丸太を削って、内部の濡れていない部分を取り出したり、火口にちり紙を使ってみたりしても火は長続きしない。1時間火と格闘して、結局つかない。惨めな気分。しかし体の内側からメラメラと inspire するものがある。「くそったれ、根性なしの薪め」と悪態をつき、テントにもぐりこみバーナーでラーメンを作る。ヒメネズミだろうか、テントにお客さんが来た。あまりの雨の激しさに暖を求めてやってきた友人。こんなに激しい雨でも、周りの木々からはヤマガラのさえずり。
 夜中は2時間おきぐらいに増水を気にして、テントから辺りの様子をうかがう。しかしこれほどの水の轟音は、なぜ騒音とはなり得ないのか。これほどの機械の音であれば、まず眠りにつくことは困難だろう。水の音であればむしろ、これほど大きくても眠りを余計心地よくしてくれる。
 
 6時にテントから這い出すと、すでに近くに釣師の車有り。空はやや明るい。天候は回復したかと思いきや、しばらくするとみぞれに変わる。
 この日も竿を出しながら、白猪谷をひたすら遡上。しかし一匹もかからず・・・。 
 アメゴ養魚場のスタッフに偶然、めぐり合い、話す。「ここ数日、冷え込んだから難しいな。あいつら瀬から離れたきに。」、そうここは高知。高知弁。
 昼からはみぞれ雪が雨に変わる。釣れずとも、斜面の豊かな植生と、水音、水色を眺めているだけでいい。ここは神聖な場所。釣師にもまったく出くわさず。
 
 本川漁協のアメゴ年券を買ったので、今年は根を詰めて通おう。
 
 (参考)本川村漁協 アメゴ遊漁証 年券5000円
                        日券2000円
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